以前、ドゥニームのレプリカとプチスタを比較して、プチスタのディティールは強いていうのであれば、60年代の501に近いと記述しました。
60年代製造の501と比較できればいいのですが、生憎所有しておりません。ですが、60年代の501の復刻である66501を所有していることを思い出しました。
ということで、今回は60年代の501のレプリカジーンズとプチスタのディティールを比較します。
まずはウエストボタンから。
まずはA.P.C.ジーンズのウエストボタンから。こちれはドーム状ですが、APCにはフラットタイプのボタンもあります。ちなみに糊をおとしてから穿いているプチスタのボタンはフラットです。
つぎはリーバイスのウエストボタン、フラットです。ちなみにヴィンテージは鉄製です。ボタン横のV字ステッチをご覧下さい。
こちらはプチスタのボタン横になります。
ステッチがありません。平行ステッチでもないですね。このタイプのヴィンテージジーンズは無いと思います。
次はリベットです。
A.P.C.は銀色です。
一方、リーバイスのリベットは銅色です。
ヴィンテージの場合は緑青が発生します。
ベルトループもご覧ください。二色のステッチが使われています。
オレンジとバナナイエロー。こちらは芯がはいってません。
BIGEには芯が入ってるはずです。xxまでだったかも。
下はプチスタのベルトループです。
中央に凸はありません。ステッチの色はオレンジ一色です。
次はプチスタのバックポケットステッチになります。
501ヴィンテージ同様にシングルです。
下は66501のバックポケット裏ステッチです。
シングルです。66後期からチェーンになります。
余談ですが、ヴィンテージ501の見分け方は、バックポケット裏のステッチがシングルかどうか、ウエストボタン裏の数字表記が点か一桁か二桁、5,6,8,16,点、等であれば大抵は66前期以前のヴィンテージ501になります。
レプリカ501の場合、バックポケット裏はシングルですがボタン裏は555やJ22等です。また内部タグに漢字で日本製や米国製と記載されているヴィンテージの501はありません。簡単に書くと、ヴィンテージ501には日本語の記述はいっさいありません。
次はA.P.C.ジーンズのコインポケット裏のステッチです。
プチスタはシングル平行ステッチです(他のA.P.C.じーんずも同様にシングルステッチ)。
下の66501のコインポケット裏はチェーンステッチです。
次はプチスタのバックヨークになります。
上のステッチがシングルで下もシングルステッチになります。
501の場合、大抵下はチェーンステッチです。
下の画像は66501のバックヨークです。
上のステッチがシングルステッチで、下はチェーンステッチです。
66後期以降は上下ともチェーンステッチになります。
次の比較箇所はセルビッジです。
こちらはプチスタの赤耳になります。
この赤味が洗濯を重ねるとピンクになればいいのにと思っています。
下は66501の赤耳です。
いい感じに赤色が退色しています。
この赤耳は幅が太いのですが、日本製501復刻も終盤あたりは耳が細くなります。
最後の比較箇所はクロッチ(股)のステッチです。
こちらはプチスタの画像です。バータック(カンヌキ)あり。
下のリーバイス66501のクロッチのステッチは複雑でバータックもあり。XXにはこのカンヌキがありません。
隠しリベットはどちらも無いので画像は割愛しました。両方ともカンヌキです。APCはオレンジ色の糸、リーバイス66501は黒色の糸によるカンヌキです。APCのステッチは全てオレンジ色の化繊で、66501のステッチはオレンジ色とバナナイエローの糸が使われていて、綿糸です。
シルエットはまったく別物ですが、強いて書くならapcジーンズのディティールは60年代のリーバイス501にもっとも近いと思われます。
A.P.Cデニム関連の話は以上で終わりです。
以下はリーバイスヴィンテージ501の年代判別方法です。
1)まずパッチを確認。慣れるとここで大体わかります。ヴィンテージの場合、残っていないことが多いです。
2)次はバックポケット裏のステッチを見ます。シングルステッチなら合格。チェーンなら良くても66後期。
3)赤タブをみます。bigEで丸まっていれば期待値が少しあがります。バレンシア製は丸まりません。日本製はレーヨンなので丸まります。
4)次に赤耳の有無を確認。あれば合格。赤耳の赤がきついのは復刻です。ついでに裾上げがチェーンかも確認。
ここまでは30秒もかかりません。
5)そして、レプリカでないことを確認する為に内部タグをみます。
そこに日本語が見受けられた場合は確実にヴィンテージ501ではありません。37501や44501や47501や55501が等記載されている場合も100%復刻です。
上記の501の前の数字は19xx年のxxにあたる数字で、その年代の501のレプリカという意味です。
レプリカの場合内部タグは、日本製の場合は左の腰骨辺りに、バレンシア製の場合は左右どちらかの腿辺りにタグがあります。
6)内部タグが無かった場合は、ウエストボタン裏を見ます。
555やJ22等の場合はレプリカです。数字が一桁や二桁や点の場合はヴィンテージです。6や9アンダーバー、点などです。
上記の順番は適当なので、確認する際の順序では関係ありません。
陳列方法によって見易い箇所から確認してください。
1~6まで全てパスした501がどの年代の501か不明な場合。
まずクロッチにバータックがあるかどうかを見ます。無い場合はXX以前の501です。XX表記廃止後、501のクロッチに補強のためのバータックが採用されたからです。
カンヌキがある場合は、ウエストボタン横のステッチを見ます。そこが上掲の画像のようにV字ならタイプ物と呼ばれる501で、初期のbigEです。xx並みの色落ちをします。
平行ステッチなら俗に言うBIGEです。66前期まではヴィンテージとして良い生地の色落ちが望めると思います。
66後期の場合は、バックポケット裏がチェーンステッチなので2)の段階で弾かれています。
上記をパスしたラベルが欠損している66前期とビッグEの見分け方。
ボタンのRの左足が長ければ古いBIGEです。
スレーキに黒いスタンプでcare~表記があれば、66前期です。
また内タグがある場合も66前期以降の501です。
66前期あたりから縮率等の品質表示が義務化され、内タグがつくようになった為です。
60年代は501がワークウエアからファッションウエアになっていく過渡期なので前年代の仕様を併せ持つ501があり面白いです。例えば、ウエストボタン横平行ステッチで赤タブ均等Vの501です。余っていた赤タブを使用したのでしょうか。
いずれbigE以前の501を購入しようと思います。
20151123追記訂正
終わり。